減圧症ってなに?治療法と予防法について。

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減圧症(げんあつしょう)はかつては潜水病と呼ばれていました。
原因が減圧であることがわかり現在では減圧症と呼ばれるようになりました。
減圧症とはなにか、対処法や予防について考えてみましょう。

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減圧症ってなに?

減圧症は、身体の組織や体液に溶けていた気体が、環境圧の低下により体内で気化して気泡を発生し、血管を閉塞して発生する障害の事です。潜水症(病)、潜函症(病) あるいは ケーソン病 とも呼ばれています。

ダイビングのタンクには空気が入っていますが、もちろん酸素だけではなくて窒素も含んでます。水圧がかかった状況で呼吸すると、窒素の気泡が圧縮されて、血中などに溶け込み易くなります。激しく動けば動くほど、より溶け込みます。
これが、水深の浅いところへ徐々に行けば、吐き出されますが、深すぎたり、安全停止を怠ると、体に気泡が残ります。陸に上がると気圧は水圧より低いので、気泡は膨張して、血管を塞いだり、神経を傷つけたりするので、触覚の鈍麻や、壊死、関節痛、筋力の異常な衰えなどを引き起こします。その他、呼吸困難、顔面蒼白、ショック状態、意識不明などの症状が出ることもあります。

減圧症とすぐに分からないような現れ方をする場合もあります。ヒリヒリ感、しびれなどが関節や手足にに限らずおこります。また、脱力感や長引く疲労感がおこることもあります。

通常、症状はダイビング後15分から12時間以内にでますが、それよりも後になってからでることもあります。症状の程度にかかわらず体に重大なトラブルが起きているので、必ず医療機関で診察を受けてください。自然に治ることはありません。手当が早いほど後遺症が残る危険性が少なくなります。

減圧症の治療法と治療費

まず、ダイビング後からの症状の問診を受けます。その後、知覚感覚のテストを行います。ルレットを使って、体の左右に痛さの違いがないか、保冷剤で感覚の鈍いところがないか、腕や足に力を入れ左右に違いがないかを調べて減圧症かどうかを判定します。

減圧症であれば再圧チャンバーと呼ばれる再圧器に入ります。再度、人工的に圧力を加えて時間をかけて窒素を排出します。この治療は数時間かかります。薬による治療も併用されます。
再圧器での治療は純酸素を吸うので、酸素中毒になるリスクがあるため、同意書にサインを求められます。

減圧症の治療費は高額です。ただし、発症後1週間を過ぎると医療費の点数が少なくなります。緊急度が違うためです。だからと言って1週間過ぎてからチャンバーを予約しようと考えてはいけません。治る確率が下がってしまうからです。予約もすぐに取れるとは限りません。医師によると1週間以内だと完治する確率が高いのだそうです。重症だと何回も再圧しなければならない場合があります。

それでは、一週間過ぎてしまった場合はどうなるのでしょうか。一週間過ぎて症状が定まると、そこから急激に悪化するということはないそうです。よって治療も急ぐ必要がなくなるらしいです。その代わり、既に傷ついた神経や器官などを治癒させるため、別の治療が必要になるそうです。

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参考治療費(紹介状がないため「選定療養費」5,400円が含まれています)

※「選定療養費」とは「初期の診療は地域の医院・診療所などで、高度・専門医療は病院(200床以上)で行う」という、医療機関の機能分野の推進を目的として厚生労働省により制定された制度です。
この制度に基づき、他医療機関等からの紹介状がない場合、初診時負担額として「選定療養費」を支払う必要がある場合があります。

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減圧症の予防

減圧症は人によってかかりやすい人もいます。たとえば寝不足や飲酒、生理などの体調面の要因で危険度が上がったり、水温が低いなどの環境的要因、また、痩せている人より太っている人の方がリスクははるかに高いという指摘もあります。

1日にたくさんダイビングをすれば体内に溜まる窒素が増えるので、リスクも上がります。陸上での休憩時間も重要です。ダイビングの内容によって休息時間が決まっているので守らなくてはなりません。

ダイビングコンピューター(通称:ダイコン)を使って減圧症にならないようなダイビングを心がけることも重要です。
例えばダイコンには水深20メートルのところにあと何分潜っていられるというような表示が出ます。
それを万が一越えてしまうと体内窒素量が多くなり危険が高まるので、安全停止の深度と時間が指定されるような仕組みになっています。

浮上する際にゆっくりと時間をかけ、途中で休憩などを加えながら、肺中の空気の圧力を調整し、5メートルで3分安全停止をおこなうことで、体内に溶け込んだ窒素を排出することができます。

しかし、ダイコンの表示を忠実に守っても減圧症になるときにはなります。複合的な要因が重なるものなので、絶対はありません。

また、ダイビングの後、飛行機を乗るまでに最低18時間空けなければならないという規定があります。(単発1回なら12時間。しかし、1回だけ潜るというケースは稀なので基本的に18時間空けます。)

飛行機に乗るとダイコンの窒素ゲージに山マークが出ます。それで窒素が溜まっているのがわかります。ダイコンの表示が絶対ではないとはいえ、ダイバーにとっては欠かせないアイテムです。

その他、減圧症の危険性を減らすことができる存在として注目されている、酸素量の多いナイトロックスタンクを使う方法もあります。(PADIではエンリッチド・エアーと呼んでいます。)
ナイトロックスタンクを使用して潜った場合、通常の空気と比べて体内に溜まる窒素の量を抑えることができることから、減圧症のリスクは通常の空気タンクに比べ、かなり低減されます。通常のタンクは21%の酸素ですが、ナイトロックスはだいたい32%ぐらいの濃度になっています。感覚は人によって違いますが、ダイブ後の疲労感もナイトロックスの方が少ないそうです。
飛行機までの時間も少しだけ短縮できます。ただし、酸素中毒など別のリスクもあります。

深いところに滞在できる時間が延びて窒素の蓄積量も減る反面、深すぎるところ(概ね30m程度)には絶対に行けなくなるのです。体内の酸素濃度が濃くなりすぎると酸素中毒になってケイレンを起こしたりするからです。そうするとケイレン⇒レギュレーター外れる⇒溺死という大変に危険な状態になります。

このような危険性があるため、ナイトロックスタンクは、エンリッチド・エア・ダイバー・コース(PADI)などで特別に講習を受けた人しか借りることができません。講習はテキストとDVDで勉強するだけなので受けておいた方がいいですね。

「エンリッチド・エア・ダイバー」の講習テキストとCカード

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まとめ

正しい知識を持ってダイビングをすれば減圧症は防げます。
海では無理は禁物です。体調と相談しながら無理のないダイビングを心がけましょう。

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